今回のご相談者A子さん(50代)は、当初「運用と保険の見直し」のご相談でお会いしましたが
87歳のお父さんが最近入退院を繰り返している事もあり「父の相続」も気になるとの事でした。
お話を聞くと、既にお母さんは2年前にお亡くなりになり、A子さんは一人ッ子、
父の財産は、一緒に住んでいる土地家屋の不動産と現金が約2000万あるとの事でした。
ご自宅は地方、建物も築30年程で、相続税がかかる程でもないだろうと予想はでき、
「税金」も「分割」も問題なしと見られたのですが、
「実は、人に初めて言うのですが、・・・・・」
と言う言葉から大きな問題点が出てきました。
実は、お父さんはA子さんの母とは再婚で、お父さんと前妻との間に2人の子供がいるらしいとの事でした。
異母兄弟の存在です。
いるらしいとの言い方は、A子さんがこの異母兄弟と今まで面識がなく、
今も生きているか知らない、知っているのは女の子が2人いた(おそらく現在60歳前後)とだけ、
これは生前の母から直接聞いており、間違いないとの事でした。
このケースの相続における問題点は、
お父さん名義の不動産、預貯金すべて、異母兄弟2人とA子さんの3人が相続人となることで、
A子さんの法定相続割合が1/3 しかないことでした。
A子さんは、
今まで父と母とご自身が長年住んでいた自宅が、父の死によって簡単に自身の物にならない事に大変驚かれましたが
同時に、現状ではお父さんの2000万円の現金も不動産も、
自分には法定相続割合が1/3 しか無い事に危機を感じられました。
そして「お父さんがBCさんに自宅不動産や現金が行くことを望んでいるとは思えない」との事でした。
実際後日、お父さんと交えてお話をさせて頂いたところ、
間違いなく前妻との間にお子さんが二人いることを確認しました。
ですが離婚時の取り決めにより離婚後は一切その子供たちとも前妻とも会ったこともなく、
また前妻がご実家のある東北に戻られた事からも、その後の情報も全くないとのことでした。
そして、その前妻との子の現況について
「調べればわかるのかもしれないが、自分が生きている間に調べる事は絶対にしたくない」ともおっしゃいました。
そしてお父さんは「自身の財産のすべてを、長年一緒にくらしたA子さん一人に遺したい」との要望でした。
お父さんの意思が明確でしたので、
解決法はいますぐ
①現金を全額生命保険に移すこと
②遺言 で 財産のすべてをA子さんに遺したい意思を書く
となりました。
但し、BCさんには遺留分(各1/6)があるので、相続発生後BCさんがどのように出てこられるかはわかりませんが、
お父さんの現金を保険に移した事で2000万円の現金はすべてA子さんの物になりますし、
遺言の存在で遺留分を考慮しても不動産の2/3 がA子さんのものにとなることから解決の糸口が見えました。
これらは
・お父さんの年齢が90歳以下で入院中ではなかったので保険の活用ができたこと
・痴呆症等がなく明確な意思が確認できたこと
この2つが揃ったからこその生前の相続解決法で、もしかしたら1年後でしたら間に合わなかったかもしれません。
ホッとされたA子さんでしたが、
そのA子さんに実は・・・と私から
A子さん自身の相続に関しても問題点があることを お伝えしました。
A子さん自身は独身でお子さんがいらっしゃらないのですが、
A子さんの亡き母の姉のお子さん、つまり いとこ とは年齢も近く、
長年大変仲良くされているとのことで そのいとこのお子さん女の子二人
つまり いとこめい (いとこの子) を大変可愛がってこられました。
ですから身近にいた いとこめい が自分の相続人になると思っていらっしゃいました。
ですが、現状では、
先のお父さんから受けた相続財産や不動産と、A子さんご自身が築いた財産と併せてすべて 先程の
今まで一度も会った事のない 異母兄弟のBCさんがA子さんの法定相続人であり
その可愛い いとこめい は相続人にはなり得ないことも伝えました。
こちらもA子さんは、家族でもなく交流もないBCさんが、
自身の相続人になることに大変驚かれました。
ですが、このケースの解決方法は簡単で
異母兄弟のBCさんには遺留分がありませんから、お父さんと同じように
①A子さんが 遺言を書く で全て解決することもお伝えしました。
遺言は、生前に行うからこそ、効力が発揮できるので
遺言がなければ、A子さんが父親から譲り受けるであろう不動産も土地も自身の財産もすべて
全く面識のないBCさん側に渡り、
自身の、大切で可愛がってきた人達に1円も遺せないことになるところでした。
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