子供のいないご夫婦 奥様の問題点 【相続編】

子供のいらっしゃらないご夫婦の奥様に向けて 相続で起こり得る問題点をお伝えします。

相続人について

Q 夫が死亡した場合、夫の財産であるマンションや銀行預金、株や投資信託これら財産の全ては

「誰の物になると思いますか???」

A「あなた(奥様) と 夫の親 」になります。

夫の両親が既に亡くなっている時は、「あなた(奥様)と夫の兄弟姉妹」になります。

 

ここで重要なのは、相続人が「あなた一人ではない」と言う事です。

あなたは、亡くなった夫の親、またはや兄弟姉妹と相続の分割について協議して、夫の財産を分ける必要があります。

夫の親が生存している場合

法定相続割合は あなたが 2/3  親が 1/3 となります。

夫の親が 生存しているけれど、認知症等で本人の意思が確認できない場合、

親と分割協議ができませんから、親が亡くなるまで、夫の預貯金を引き出す事も不動産も

何もできない可能性があります。

夫の資産が多く、相続税を支払わなければならない場合、

夫の死後10か月後には相続税の支払い義務が発生しますから、

分割協議ができなくて亡き夫の銀行預金が降ろせないのに、相続税の期限だけがきてしまうという事が起こります。

夫の親が既に亡くなっている場合

夫の親が既に亡くなっている場合は、「あなたと夫の兄弟姉妹」が相続人です。

法定相続割合は あなたが 3/4   夫の兄弟姉妹が  1/4

兄弟姉妹が夫より先にお亡くなりになっていた場合は

その兄弟姉妹の子供(あなたの甥や姪全員)との分割協議になります。

相続人が他にもいるという事は

亡き夫の銀行口座のお金はもちろんですが、

夫と一緒に生活していたマンションも 自分一人の物になる訳ではありません。

住宅ローンを組んだ際に「団体信用保険に入ったから大丈夫」とは言われますが

ローンが残らない事に大丈夫、なのであって、

奥様の物になるという意味ではありません。

繰り返しますが、他にも相続人がいるのですから 相続人全員との協議が必要です。

相続人全員が分割割合について協議済、という書類(分割協議書)を持って初めて

夫の銀行に行ってお金を降ろしたり不動産の所有権を自分に移したりする事ができます。

問題の解決方法

私に相続の対策をご相談される奥様は、

少しでも夫の財産を「自分だけの物にできたら」と望まれます。

それができるかと問われると答えは「できます」で

一瞬で簡単にできる方法ですが、もちろんそれは夫の意思で行って貰う必要があります。

例えば

①夫の預貯金を、預貯金の類似商品である保険会社の商品に移し変えること

これを実行するだけで

夫が死亡の場合、全額が受取人である奥様だけの物になり遺産分割の必要はありません。

「生命保険だと お金の出し入れができず、夫が死ぬまでお金が降ろせないでしょ?」

と質問されますが、大丈夫です。いつでも出し入れ自由です。

 

また、夫の親が既にお亡くなりで相続人があなたと夫の兄弟姉妹の場合は、

夫の兄弟姉妹に遺留分はありませんから

②夫の遺言で 全財産をあなたに遺すことが可能になります。

とは言え夫が遺言を書きたがらないとの事なら、簡単にできる ①だけでもお勧めします。

このような事前の対策をするかしないかで 奥様が相続する財産額が大きく異なるケースがあります。

相続は 誰にでも必ず起きることです。

 

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