シングルマザー(母子家庭のお母さん)の保険注意点
50代のクライアントさんから、20代娘さんの生命保険についてご相談の連絡が来ました。
娘さんは20代でシングルマザー、娘さんのお子さん(つまりクライアントさんの孫)はまだ幼児、
そのお子さんのために娘さんが生命保険にご加入中のようで、その保険の相談です。
まず、シングルマザー(母子家庭のお母さん)が生命保険を考えるときの、考慮すべき点をお伝えします。
1.保険金受取人は誰か?
2.保険金額
3.保険種類
4.シングルマザーとお金
1.保険金受取人は誰?
シングルマザー(以下「ママ」)が保険金受取人を未成年の子供にしていることが多々あります。
その心中は「子供に教育費位は遺していきたい」という愛する子供への想いからくるのですが、
が、現実としては ママに万一の場合、保険金受取人の子(未成年者)は保険金の受取手続きが出来ませんから、その子の未成年後見人(親代わりになる人)が手続きをすることになります。
ではこの子の場合、未成年後見人は誰がなるのでしょうか?
考えられるのは、ママの親である祖父母どちらか(クライアントさん)、または「別れたあの人」ではないでしょうか?
未成年後見人は立候補制ですから、立候補者の中から誰が選出されるかは家庭裁判所が決めますが「別れたあの人」が立候補し、選出されることも可能性としてはあるでしょう。
その場合「受取人を我が子」にしたママの気持ちに反して「別れたあの人」が、まとまった保険金の受取手続きやその後のお金の管理も全て行うことになるのです。
もしママが「まとまった保険金をあの人に預けたくない、親に子供を育ててもらいたいのに」と思うなら保険金の受取人は子供ではなく、親にすべきです。そうすれば子の後見人が誰であれ保険金の受取人である親は、確実に保険金を受け取れます。子の祖父母であるママの親は、ママの気持ちを汲んでその大切な保険金を孫の為に使ってくれるでしょう。
場合によっては、子供の養育をお願いしたいのが親ではなく、仲の良い兄弟姉妹かもしれません。その時はその兄弟姉妹を保険金受取人にしましょう。
まとめ1
「別れた夫以外の人に子の養育をお願いしたいと思っているのなら、生命保険の保険金受取人には、その子を養育して欲しい人の名前を書いて、自分の意志「子供の教育に使って欲しいなど」をその受取人に伝えておきましょう。」
なお、未成年後見人を指定するには娘さんが「遺言」にて指定することはできます。ですが現実として20代の娘さんが遺言を書くのか?と思っていますので遺言には触れていません。
2.保険金額
次は保険金の額です。
生命保険の前にまずは公的保障額をざっくり出します。
ママに万一の場合、子供には国から遺族年金が支払われます。誰が受取の手続きをするか、というと先程の未成年後見人です。ママが厚生年金か国民年金かで遺族年金の金額は多少異なりますが最低限の基礎年金で計算すると、ざっくり年間年間80万円を子供が18歳の3月つまり高校卒業の月まで受け取れます。実際にはママの月額報酬や子供の人数やその年の年金額で異なりますが、今回は子供ひとりの金額で基礎年金のみで計算しました。(お子さんがお二人の場合はプラス年額20万程)
つまり公的保障をざっくり言うと、
「住むところがあるなら食べていくには充分、でも塾や大学資金には足りない」という額です。
なので、それら教育費分が不足であれば不足分を生命保険で補うことになるでしょう。
しかし、子供が大きくなったら塾や大学に行きたいかどうかなんて、今幼児の子供に聞いてもわかる訳はありません。
ですから親が決める事になるのですが、多めに計算しても一人500万あれば充分でしょう。子供が小さいときは福祉が充実していてお金はあまりかかりませんし、大学費用が足りなけば子供本人にバイトなどしてもらえばいいのです。ママが生きていてもさせてあげれないような贅沢な暮らしをママ亡きあと子供にさせるために保険に入るのではありません。子供が可哀そうなどと思って多めに入る必要はありません。
実際、若くして子供が大金を持つことは、逆に子供が不幸になる事もあり得ますから「愛情が大きい事と保険金を大きくするのは別」という考えで保険金は最低限でいいのです。仮にママが本当に万一の場合、子供が本気で大学に行きたければ奨学金などいろんな福祉の恩恵は優先的に受けられます。また多少のお金の苦労こそ子供にもさせた方がいいのです、お金が空から降ってくるものでは無い事をむしろ若い時に教えた方がいいのです。
なお、今回のケースだと、子供を養育することになるであろうママの親、子供の祖父母(つまりクライアントさん)はお金のある方なので、金銭的にはママの生命保険は不要という事も伝えました。
まとめ2
「子供への愛情と保険金額の大きさは比例しない、子供には多少のお金の苦労ぐらいさせた方が良い!」
3.保険種類
「親に孫の養育資金までを出させたくない」とママが言うのであれば、遺族年金での不足分を生命保険に加入となりますが、
その場合、保険種類は「10年の定期保険」、つまり掛け捨ての保険で良いでしょう、理由は保険料が1番安い保険種類だからです。そして同じ保険種類、保険金額ならやはり安い保険会社で加入したいですよね。
各社の保険料比較は、今ではインターネットで簡単に検索できますが、非喫煙で健康診断異常なしならメットライフ生命、喫煙者の方や健康診断を受けていない方なら告知のみで簡単に加入できるアクサダイレクト生命がお勧めです。どちらも20代の女性500万円の保障なら月500円程度で加入できます。また両社T-pec社のセカンドオピニオンサービスが付いています。仮に若くしての大病であればこのサービスは役立つことになるでしょう。ネット経由で申し込みが可能です。(10年後に保険が必要ならば更新して続けることも可能です。)
ここで、絶対に間違えてほしくないのは
貯蓄性のある、保険料の高い保険に加入してはいけません。
このブログで何回もお伝えしていますが「保障と積立は別」にしてください。
まとめ3
「生命保険は10年定期保険がお勧め」
なお、喫煙者ならアクサダイレクト生命・・とは書きましたが、あなた自身のためにも子供のためにもお金のためにも今すぐタバコは止めましょう!
4.シングルマザーとお金
お金全体の話です。
まず、シングルマザーは女性というだけで一般的には会社員としてのお給料はあまり高くありません。
ですが「稼ぐ」ことは、これからの長い人生自分のためにも子供の為にも絶対に必要ですから、今ある仕事は辞めないことです。
そして、お勧めは会社員以外に副業(複数の仕事)を持つことです。今だと小さい子供の為にも自宅でできるビジネスが良いかと思いますが探せば色々あるでしょう。子供が寝てからでもできる仕事、あるはずです。
副業(複業)も慣れていけば、少しずつステップアップできますから、いつかそれなりの金額になる可能性があります。
・「稼ぐ」ことをやめない
・無駄なことにお金をかけない
・お金を「貯める」
お金を「稼ぐ」ことを続けて、そしてある程度「貯める」ことができれば、その次のお金を「殖やす」チャンスがいつかくるでしょう。
若い時は、エネルギーは有り余っているはずですから、ママには「稼ぐ」ことをしっかり頑張ってお金を「貯める」ことが出来る人になって欲しいです。
若い時の正しい頑張りは、未来の人生が明るい豊かなものになりますから、大変でしょうけど頑張ってくださいね!
最後に
私は母を自分が3歳の時に亡くしましたが、亡くなった母に多額の保険金を遺してほしかったと思ったことはありません。当時は子を持つ女性が死んでも国の保障、つまり遺族年金は1円もありませんでしたが、それでも子供はちゃんと育ちますよ。
それより私が20代でシングルマザーになることを決めたとき、その時はやはり未来のお金の不安が大きかったのは事実です。だから本当に一生懸命仕事をしました。
お金を「稼ぐ」→「貯める」→「殖やす」
今振り返るとこのステップが本当に重要だったと思うのです。
若い時はまず自分が出来るお仕事できちんと「稼ぐ」、
稼ぐ事は善です。
稼ぐ=人に役立ち人から必要とされること人に喜ばれること です。
いくつの仕事を同時進行しても良いではありませんか?
どれだけ多く稼いでも良いではありませんか?
そして無駄なお金は使わず、手元のお金を「貯める」!
これを続けた人にはいつかお金を「殖やす」チャンスが来ます。
だからこそ 若いママ、今 頑張ってくださいね!
応援しています♪
同じように20代で2人の子を持つシングルマザーの道、を選んだ私でしたが、
今は、お金にも人にも恵まれ、本当に幸せです^^